忘れられない試合・・・

HTぱぱ

2009年10月28日 12:28

11月に入ると各地で冬季大会県予選が開かれ、6年生にとってはまさに最後の大会・・・
そして来年1月には5年生以下、「新人大会」も開かれるが
私には忘れられない試合・・・がある。
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 うちの長男(高1)は、小学生の頃、今のフェニックスではなく、R大附属Yで野球をしており、私もそこのコーチとして野球を教えていた。
 当時のR大は6年生が5名、後は5年生以下のチーム構成。その中で体は小さいが、非常に野球センスがある3年生(K君)が居て・・・その子はセカンドで2番を任せていた。
 それまでのR大は試合に出ては負け、それもコールド負け続きのような状態だったが、それでも一生懸命頑張っている子供たちの姿に父母は満足していた、ところもあった。

1月の新人戦。
当時の新人大会は今と違い、80チームを超える参加があり、読谷の会場でとても寒い中行われていた。新チームにとっては最初の大きな大会でもあり、選手は何とか1勝・・初勝利を目指して、冬休みに練習に練習を重ねた。

そして1回戦。練習の甲斐もあってか、何とか初勝利。すると2回戦、3回戦と勝ち進む。意外(?)な展開に父母たちの応援が激しくなっていく。そしてこれを勝てばベスト8・・・という試合。
1回にR大は1点を先制したが、相手のうまい攻撃に3点を取られ、最終回・・
父母の中にも「・・ここまでやれたんだから、いいんじゃない」的な(負け)ムードが広がる中、先ほどのK君が打席へ。既に2アウトとなっていたが、ゆっくり打席に向かう。

1球目。「ストライク!」と審判の大きな声。
相手チームの声援が盛り上がる・・・ふと打席のK君を見ると、「見えなかった?」のか目をこすっている。
2球目・・・また「ストライク!」。打席を外し、K君はまた目をこすっている・・・。
「?」に思い、私はタイムをかけK君を呼んだ。

「おい、どうした?」・・・K君は無言・・・  。 よく見ると・・・泣いている・・
「泣いてるのか?」・・・(頬を涙が伝うくらい・・) 私はビックリした。
「試合中だぞ・・・どうした? 泣いたらボール見えないだろ」

そう言うと彼は・・・・・
「負けたくない・・!」 しゃくり上げながら・・そう言った。
・・・私は言葉がなかった。

ハンカチで彼の涙を拭い、「まだ試合は終わっていない。精一杯振ってこい!」
・・それしか言えなかった。

その光景を見ていた父母たちの声援も静かになった。

結果、その試合は1-6で敗れたが
冷たい風が吹き抜ける中、選手、父母とも心は暖かかったが

・・・私はこの光景を忘れることができない。 

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